概観
大学全体
東京理科大学は東京物理学講習所、そしてこれが改称した東京物理学校を母体とする大学である。夏目漱石の『坊っちゃん』に登場する「物理学校」は、この東京物理学校を指している。現在では入学に際し選抜試験が課せられるが、かつては入学試験を行わず、10人に1人程度しか卒業させないという方針が取られていた。
現在も進級・卒業に際してはかなりの関門を設けており、学部・学科によっては1年次の留年率が30%を超えるケースもある。このため「卒業するのが難しい大学」として知られており、卒業生の質は高く社会からの評価は良好である。入学時に同ランクであった他大学に比べ、就職は非常に良い。また、学部卒業生の6割程度が大学院修士課程に進学している。(学科によっては7割程度の場合もある。)
沿革
略歴
政治・経済・法律に関する学問所が多かった1881年に「理学の普及を以って国運発展の基礎と成す」の信念の下、東京大学を卒業した21名の青年理学学士(櫻井房記・高野瀬宗則・千本福隆・中村精男・中村恭平・小林有也・寺尾寿・保田棟太・桐山篤三郎・信谷定爾・谷田部梅吉・加瀬代助・赤木周行・三守守・難波正・和田雄治・沢野忠基・三輪桓一郎・名村程三・鮫島晋・豊田周衛)によって東京物理学講習所が設立される。二年後に東京物理学校と改称。
1885年には財政が窮地に陥る。創立者21名のうち16名が「維持同盟」(一人30円の寄付と週2回の無償講義、教師が都合で講義に出られない時は理由を問わず25銭を払うという決まり)を結び、この場を凌ぐ。
設立当時、授業は夜のみで小学校の教室を間借りし、機材は理学学士の母校である東京大学からその都度借りては返すというやり方で、創立者達は仕事の傍ら無給で学生の指導にあたった。今日でも夜間部は、創立時から続く理学部第二部に加え工学部第二部が在り、社会人選抜が行われている。
年表
1881年 東京物理学講習所設立。
1883年 東京物理学校と改称。
1889年 神田小川町に校舎取得。
1906年 神楽坂に新校舎竣工。
1923年 昼間部を設置。
1949年 学制改革により東京理科大学となる。それまでの昼間部は理学部第一部に、夜間部は理学部第二部となる。
1960年 薬学部を設置。
1962年 工学部を設置。
1967年 野田校舎竣工。同時に理工学部を設置。
1976年 工学部の夜間部として工学部第二部を設置。
1987年 野田校舎に基礎工学部を設置。
1988年 学校法人東京理科大学と名称変更。
1993年 久喜校舎竣工。同時に経営学部を設置。
2001年 英語表記をScience University of Tokyo(SUT)から現在のTokyo University of Science(TUS)に変更する。
2002年 理学部の応用数学科を数理情報科学科に改組。
2003年 薬学部が神楽坂校舎から野田校舎に移転。
2004年 九段にある旧都市基盤整備公団の土地・建物を取得。神楽坂キャンパスが2校舎体制になるため、他の「校舎」表記を「キャンパス」とする。
2006年 薬学教育6年制移行により、薬学部薬学科を6年制に移行。
基礎データ
所在地
神楽坂キャンパス(神楽坂校舎:東京都新宿区神楽坂1-3|九段校舎:東京都千代田区九段北1-14-6)
野田キャンパス(千葉県野田市山崎2641)
久喜キャンパス(埼玉県久喜市下清久500)
長万部キャンパス(北海道山越郡長万部町字富野102-1)
教育および研究
組織
学部
アルファベットによる学科の略は、ローマ字(例・数理情報科学科=Suri Joho Kagaku)、または英訳(例・建築学科=Architecture)の頭文字などから採られている。大学内部ではこの英字略称を使用することが多い。
理学部・工学部について、大学は両者の第一部と第二部をそれぞれ独立した学部として扱っており、学部長以下教学組織を完全に分離している。本項の記述もその見解に従う。ただし、文部科学省の認可は、同一学部内の第一部と第二部として下りている。したがって政府関係の研究会や評議会・諮問会議などでは「東京理科大学工学部教授」などと表記される。
理学部第一部
数学科(S科)
数理情報科学科(SJ科)
物理学科(B科)
応用物理学科(OB科)
化学科(K科)
応用化学科(OK科)
理学部第二部
数学科(2S科)
物理学科(2B科)
化学科(2K科)
工学部第一部
建築学科(A科)
工業化学科(C科)
電気工学科(E科)
経営工学科(i科)
機械工学科(M科)
工学部第二部
建築学科(2A科)
電気工学科(2E科)
経営工学科(2i科)
薬学部
薬学科(YP学科)
生命創薬科学科(YM学科)
2004年の学校教育法および薬剤師法の改正による薬学教育6年制への移行に伴い、2006年度から薬学科(6年制)、生命創薬科学科(4年制)の2学科に改組された。2017年度までの生命創薬科学科入学者は、大学院薬学研究科の修士課程を修了し、不足科目の追加履修を一定期間内に行い厚生労働大臣の個別認定を経た後に、薬剤師国家試験の受験資格が与えられる。
理工学部
数学科(MA科)
物理学科(PH科)
情報科学科(IS科)
応用生物科学科(BS科)
建築学科(AR科)
工業化学科(CI科)
電気電子情報工学科(EE科)
経営工学科(IA科)
機械工学科(ME科)
土木工学科(CV科)
基礎工学部
電子応用工学科(TE科)
材料工学科(TM科)
生物工学科(TB科)
経営学部
経営学科(MS科)
附属機関
研究
21世紀COEプログラム
採択1件
2003年
分野名:機械、土木、建築、その他工学
先導的建築火災安全工学研究の推進拠点
「大学教育の国際化推進プログラム(先端的国際連携支援)」
採択1件
2007年
文部科学省
「グローバル時代に活躍する理工系人材の養成」 先進海外大学との学部留学から大学院ダブルディグリー取得まで
教育
現代的教育ニーズ取組支援プログラム
全人的教養教育の新たな展開-科学者としての良心を持ち、創造的知性を備えた人材の育成-
特色ある大学教育支援プログラム
全寮制に基づく全人的教養教育
理系難関大としての地位
一般的に各予備校、各有名進学高校において早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学と一括りにし、頭文字を取り早慶上理と呼ばれている。
施設
キャンパス
神楽坂キャンパス
神楽坂キャンパスは、2004年に都市基盤整備公団旧本社を取得したことに伴い、2校舎体制となっている。
神楽坂校舎
使用学部:理学部第一部・理学部第二部・工学部第一部工業化学科
使用研究科:理学研究科・工学研究科(工業化学専攻科)
使用附属施設:大学本部、近代科学資料館、森戸記念館、ナノサイエンス・テクノロジー研究センター
所在地:東京都新宿区神楽坂
交通アクセス:飯田橋駅(JR中央総武線・地下鉄東西線・有楽町線・南北線・都営大江戸線)から徒歩5分~8分
1~3、6~9号館は狭い土地に建ち並ぶビル群となっている。校舎間の公道はほとんど私道化され、学生たちが群がっている。人のよく行き来するはずの図書室はなぜか1号館の9~11Fにある。これらの校舎がある場所から外堀通りを市ヶ谷方向に進んだ場所に、若宮校舎(数学科研究室)、11号館(ターミナル室)、5号館(化学科研究室・体育館)、10号館(化学科実験室)がある。10号館は市ケ谷駅の方がやや近く、法政大学のボアソナードタワーが外濠の橋を渡った目の前にある。各建物は迷路のような連絡通路で結ばれている。2003年4月に薬学部校舎が野田に移転、跡地に5号館を新設したのを皮切りに再構築計画が進行中であり、当初は2006年4月~9月に2・3・7・8・9号館を解体し、それに引き続き跡地に新2号館を新築する予定であった。しかし、大幅に計画が遅れ2007年9月にようやく7号館と9号館の解体が始まった。
九段校舎
画像:東京理科大学(九段校舎).jpg
九段校舎使用学部:工学部第一部(工業化学科を除く)・工学部第二部
使用研究科:工学研究科(工業化学専攻科を除く)
使用附属施設:無し
所在地:東京都千代田区九段北
交通アクセス:九段下駅(地下鉄東西線・半蔵門線・都営新宿線)から徒歩5分
神楽坂キャンパス再構築計画に伴い、2006年4月より工学部第一部(工業化学科を除く)・工学部第二部が臨時移転。敷地は靖国通り(九段坂)に面している。校舎の目の前に靖国神社の鳥居が構え、付近には日本武道館や北の丸公園などもある。神楽坂校舎から早稲田通りを東にまっすぐ徒歩10分ほどでたどり着く。
野田キャンパス
使用学部:薬学部・理工学部・基礎工学部(2~4年次)
使用研究科:薬学研究科・理工学研究科・基礎工学研究科・生命科学研究科
使用附属施設:森戸記念体育館、セミナーハウス、計算科学フロンティア研究センター、ゲノム創薬研究センター、21世紀COE火災科学研究センター、情報メディアセンター、DDSセンター
所在地:千葉県野田市
交通アクセス:運河駅(東武野田線)から徒歩6分
野田市南部、利根運河沿いにあるキャンパス。グラウンドや体育館、宿泊施設なども完備されている。講義棟や薬学部キャンパスなど新しい施設も多い。大学では当キャンパスをリサーチパーク型キャンパスと位置づけており、再構築に伴って様々な研究施設が建設されている。1990年までは国道16号の北東側もキャンパスの一部(自動車練習場)であったが、NHK朝の連続ドラマ「君の名は」の屋外セットロケ撮影地として利用された後、関東運輸局千葉運輸支局野田自動車検査登録事務所となった。
久喜キャンパス
使用学部:経営学部
使用研究科:経営学研究科
使用附属施設:Stub
所在地:埼玉県久喜市
交通アクセス:久喜駅(JR宇都宮線・東武伊勢崎線)からバスで10分
久喜駅から西におよそ2.7キロ地点に位置し、キャンパス付近は水田や畑が多く存在する農業地域である。校舎は3階建て(一部2階建て)、A棟からE棟までが、それぞれ「凹」の字のように建てられ、各棟および図書館はシームレスに行き来できる。キャンパスの敷地面積は大きいが、校舎の床面積は相対的に小さい。また敷地内にはぶどう園がある。
長万部キャンパス
使用学部:基礎工学部(1年次)
使用研究科:なし
使用附属施設:Stub
所在地:北海道山越郡長万部町
交通アクセス:長万部駅(JR函館本線・室蘭本線)から徒歩15分
基礎工学部の1年次は全寮制(4人部屋)の長万部キャンパスで過ごす。4月の入学式を日本武道館で終えた新入生は、そのまま大型バス11台程度で羽田空港へ向かう(学生の間では「拉致」と称されている)。このため入学式とは思えない量の荷物を抱えて式に参加する。また、この学部は1年次には留年が発生せず強制的に(習得単位数が0であっても)2年生に進級し、野田キャンパスに移動することになる。他学部と異なり3年生への進級時に留年が発生する。 長万部町の年代別人口比率で10代が多いのは東京理科大学長万部キャンパスがあるためである。
対外関係
系列校
学校法人東京理科大学が設置している以下の大学は系列校という扱いになっている。
山口東京理科大学(山口県山陽小野田市)
諏訪東京理科大学(長野県茅野市)
(出典;Wikipediaより)
東京理科大学紹介サイト